昭和時代などの職人は職人としての仕事をすることが重要で、それ以外のマナーや現場管理などについては重要視しないお客様や工務店も少なくはなかったようです。
令和時代の現在では、職人としての仕事は出来て当然で、現場を安全に清潔に保つ管理能力、資産価値を落とさず上げる、清潔感のある身だしなみ、業務的マナーなどが個人宅であっても求められる場面があります。
お客様からのクレームが大きくなってトラブルにならないために下記を読み進めてください。
床や床材の汚れと不潔感とへこみ
皆様は道具箱や道具を床にジカ置きすることがありますか。
屋外やトイレ室内に置くこともある道具箱を自宅の床にジカ置きされることを嫌う人が
増えています。
また、重さがある固い道具を床に置くとヘコム可能性があると気にする人も増えています。実際にへこんだ床の補修を求められることもあります。
当社では画像の様な「あて布団」を敷いて道具や物を置くことを推奨しています。
トイレや流し台、洗面台の取り外しについて
トイレタンクを取り外してフロート管を交換する際に便器の上に置く職人さんも居ると思います。そのタンクの下に養生布団(あて布団)は敷いていますか。
トイレタンクを便器に直接置いていたり、床に直接置いたり、取り外した便器を床に直接置く行為はとてもクレームが多く、作業完了時の精算において揉めることもあります。
また後日に床のヘコミ修理や張り替えの請求をされたり、タンクの傷についてクレームが入ることもあります。
流し台や洗面台の取り外し時に、養生布団を敷いていなかった為に床に傷がついて、修理費用を請求されることもあります。
あて布団は長尺サイズもありますので、是非ご使用を検討してください。
お客様宅のモノを使わない
「トイレットパーパーを勝手に使われた」というクレームが急増しています。
また使うことについて承諾を得た場合でもクレームが入ることがあります。
出来ればトイレットパーパーや、雑巾は持参してそれを使ってください。
フレキや給水パイプや止水栓のパッキン交換
トイレタンクと止水栓を接続しているフレキや給水パイプの水漏れクレームは常に一定数がございます。
作業時に上下どちらかのパッキンを交換して、残る片方を交換しない場合は、接続傾斜が変わるために水漏れがしやすいので、一旦はパイプを取り外して両方のパッキンを交換することをお勧めしています。
また、三角パッキン (水栓上部パッキン) が使われている止水栓を回した後で、その三角パッキンを交換しなかった場合は止水栓から水漏れすることも多いようです。
ネジの締め忘れ注意
別の業者さんのミスですが、上記で書いた止水栓の三角パッキンを交換した時にナットを締め忘れて400万円ほどの被害が出た現場に呼ばれたことがありました。
7階建てマンションの7階のお部屋で温水洗浄便座を取り付けた人が、止水栓の三角パッキンを替える際にナットを締め忘れ、数時間後にナットが飛んで1階まで漏水しました。
洗濯排水のつまり
洗濯機の排水エラーが表示して、洗濯が完了しないトラブルが増えています。
その殆どは排水経路が詰まっているわけですが、詰まっている可能性のある個所は次の3カ所が考えられます。
- 洗濯機の内部つまり
特にドラム式洗濯機に多くみられる詰まりで、洗濯機の内部にあるパイプのどこかで詰まりが発生しています。製造メーカー等が洗濯機を分解して修理をする必要があります。 - 洗濯パンの排水口つまり
洗濯機の排水エラーが出る原因の多くは、洗濯パンの排水口、または床面にある洗濯トラップの詰まりが原因です。
洗濯パンの排水口にあるカップを取り外して、その奥側まで詰まりが残っていないか確認をしてください。
また、排水口の掃除が完了した後で水道ビニールホースを排水口に差し込んで沢山の水を送り込み、流れるかどうか、排水口に水が溜まってこないかどうかのテストを行ってください。
洗濯機を再設置し後に行う改善確認のテスト時にエラーが出る状態が改善されていないケースで、このホースでの通水テストが重要な意味を持ちます。 - 洗濯排水管のつまり
(2)の水道ホースで水を流した時に排水口に水が溜まる場合は洗濯排水管のつまりである可能性があります。
また、洗濯パンを設置した直後から排水不良が起きている場合は、洗濯パンの排水ジャバラホースが折れ曲がってつぶれている可能性があります。
※注意
洗濯機を使用中に排水エラーが出た状態だと、1から3のどの詰まりであるのか判断がつきません。
通常は(2)の排水口の掃除から最初に始めることが多いと思いますが、排水口の掃除をして水道ホースで水を流した時は正常に排水できるのに、洗濯機を設置した状態だと再度の排水エラーが出る場合は、洗濯機の内部つまりである可能性が高くなります。
お客様にとっては排水エラーが出る状態が改善されていないわけですから、自ら進んで料金を支払いたい人は少ないと思います。
それでも作業料金を請求したい場合や、せめて少しでも料金はもらいたい場合は、必ず作業前の段階で、作業をしてこの様な状態になる可能性があることを説明して同意を得ておく必要がございます。
事前説明もなしに、作業をしたから改善しなかったけど料金は払ってくださいでは、話にならず揉める可能性が高くなります。
作業まえの説明をしっかりと行って同意を得てから作業を進めましょう。